ブランド:アリスソフト
シナリオ:イマーム
原画:ちょも山
発売日:2002/03/15
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『妻みぐい』OHP
▼シナリオ・テキスト
タイトル通りの人妻物ですが、現夫との修羅場や寝取り描写などは一切なく、「新感覚癒し系人妻アドベンチャー」の名を欲しいままにしています。
短いシナリオの中で、それぞれの登場人物の想いを描き切った愛の物語。ヒロインと主人公の関係もそうですが、六郎さんや九ノ美ちゃん、大家さんなどの隣人の抱える想いまで細かく描かれていて、低価格とは思えない作り込みでした。
主人公がHの手ほどきを受け成長していくことで、男としても成長し人妻と結ばれていくストーリーです。
▼世界観・雰囲気
不倫物の筈ですが、明るいです。
団地(アパート?)が舞台で、部屋を行ったり来たりするだけで全く外出しない、閉鎖的な世界です。舞台をせまくし、その分人物描写に力を入れることで、短い尺の中でシナリオを上手く纏めています。
▼キャラクター・CG
二人のヒロインもそれぞれ魅力的ですが、サブキャラクターの隣人たちもゲームを面白く彩る大きな要素の一つです。
特に六郎と九ノ美は、それぞれ主人公と香苗、主人公と千穂に何らかの強い想いがあるようで、二人との会話はそれぞれのヒロインとのストーリーに深みを増してくれます。
二人にはNormalENDが用意されています。シーンもCGもないので見る必要はないのですが、物語をより楽しみたい方は見ることをお勧めします。
▼Hシーン
人妻に属性を絞った内容。
逆調教を受けレベルを上げることで、同じプレイでもより濃密なものになっていく描写は、経験豊富な人妻の魅力を存分に表現しています。
人妻と身体を重ねる背徳感は無く、良く言えば万人向け、悪く言えば深みのないシーン内容になっています。絵も美麗で十分に実用的だとは思いますが、背徳感や寝取り描写などのシチュエーションにこだわりたい人にはお勧めできません。
要約すると、「人妻」という属性(キャラクター)の魅力は十二分に出しきっていますが、「人妻物」としては褒めがたい、ということです。「よくあるノーマルシチュ系和姦抜きゲーで、ヒロインが人妻」と言えば分りやすいでしょうか。
シーン内訳
コマンド式で、誰が幾つと断定するのは難しいので、省略します。
▼音楽・ムービー
テーマに沿わず内容を明るくするのに一役買っているのが、コミカルなBGMです。
▼システム
調教成長システム。香苗さんから手ほどきをうけることで、主人公のHレベルが上がっていきます。
スキップの未読既読判定無し、バックログ機能無し。十年以上前の作品ですから……。
次作「超昂天使エスカレイヤー」では未読既読判定が実装され、後日配布されたパッチでバックログ機能も試験的に追加されました。素晴らしい進化です。
▼その他
ボイス追加ダウンロード版が出ています。ボイスを聞きたい方はそちらをダウンロード購入しましょう。
▼総評
66点
※点数について
60点を中央値(佳作)とし、基本的に5点刻みで評価しています。一部、±1点ぶれが入ることもあります。
90点以上なら神作。40点以下なら駄作。
簡易で面白いシナリオとシステム、一方で細かく考えられた設定。低価格にしておくのはもったいない作品だと思いました。